・ テルミンの作動原理
 「テルミン」には図1に示すように、コイル(L)とコンデンサー(C)を組み合わせたLC発振器が3個用いられている。LC発振器はLとCの容量を変化させることによって、発信周波数を変化させることができる。3個の発振器の内の1個を基準用の発振器として、一定の発振周波数に固定させておく。他の発振器には発振周波数を変化させるための音程(ピッチ)用と音量(ボリューム)用のアンテナが取り付けてある。
 最初は各発振器の周波数が同じになるように調整しておく。
 いま、ピッチ用アンテナに手を近づけると、手とアンテナの間の浮遊容量が変化し、発振器の回路に浮遊容量分のCが加わり、発振周波数が変化する。こうして変化した波と基準の波をミキサーで混合すると、ヘテロダイン干渉によって、その周波数の差成分がいわゆる「うなり」の波となって得られる。したがって、その差周波数が可聴周波数帯になるように調整すれば、音として聞くことができる。
 音程の変化は、ピッチ用アンテナと手の位置を変化させることによって、ピッチ用発振器の周波数を変化させ、基準発振器との差周波数を変化させることにより、うなりの波の振動数を変化させている。
 音量の変化はボリューム用アンテナと手の位置を変化させて、ボリューム用発信器の周波数と基準発振器との差周波数を変化させるところまでは音程の変化と同じであるが、得られた波の周波数を電圧に変換し、電圧制御増幅器(VCA)で音量を変えている。

図 1 テルミンのブロック図

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